余暇・趣味

余暇ではなくレジャーと言う?

「余暇」ではなく「レジャー」?


「余暇」という言葉に、あなたはどんな印象を持たれるでしょうか。
「余暇」と言った場合と「レジャー」と言った場合とで、受ける印象は違うでしょうか、同じでしょうか。

余暇に関して面白い論文に出会ったのでご紹介します。*

Holiday

英語の holiday は、語源的には「holy+day」であり、ここでいう「holy」は「whole」と同じなのだそうです。つまり、「holiday」には本来、「『その人がその人本来になるための日』『心身健康になるための日』『その人が完成に向かうための日』という意味が込められている」というのです。(松田・p.30)
単なる休日ではないということですね。

レジャー

この論文では、レジャーに関しても興味深い論考が展開されます。
アリストテレスの頃の古代ギリシアでは、「leisure を schole(school)といい、その否定形の ascholia を work, business, occupation ととらえている。明らかにギリシア人にとっての価値観は   schole(leisure) > ascholia(work) であった」

「recreation」「amusement」は「ascholia の生産性を下げないようにするための手段」と考えられ、さらに「ascholia は schole の手段で、schole が人生の目的で、幸福な生活と考えていた」というのです。(松田・p.31)

レジャーとレクリエーションは違うというのは、私は初耳でした。 この松田説にいう 「recreation」「amusement」にあえて日本語を充てるなら、休息・息抜き・気晴らし・気分転換といったところでしょうか。
でも、レジャーというのはそれとは違い、それこそが人生の目的であり、幸福な生活なのだそうです。そう考えると、「レジャー」を「余暇」と訳すことには若干のためらいを私は感じます。

余暇とレジャーという言葉

「余暇」というと、字の如く余った暇な時間という印象が強くなります。
どこか手持ち無沙汰な感じというか、中途半端な感じを —— 少なくとも私は —— 受けます。

でも、「レジャー」というと、計画を立ててどこかに遊びにいくとか、より自発的で、何より快活な印象が強くなるように思います。
そういった快活な日々を過ごしていくことも自分らしく輝くことのひとつのほうほうなのかもしれません。

あなたは最近どんなレジャーを楽しみましたか?

(参考文献)松田義幸「現代における余暇の意義」(「レジャー・レクリエーション研究」第27号・1994年)https://jslrs.jp/journal/pdf/27-30.pdf

(YI)

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